職住近接の暮らし | アルヴァ・アアルトの自邸から職住近接の可能性を考える「家は仕事場のように、仕事場は家のように」

アルヴァ・アアルトの職住近接の自宅とアトリエ

フィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトは、フィンランドの卒業した大学がアアルト大学と名前を変えてしまうほど有名な建築家です。

彼の自宅はヘルシンキの郊外にあり、そこから歩いて10分程のところにアトリエを建ててスタッフと共に仕事をしていました。このアトリエで後世に残る数々の名建築が生み出されます。
アアルトの自宅を訪れてみてると、家には仕事をするスペースがあり、単にくつろぐだけの空間ではないことがわかります。

反対にアトリエの方は、多くのスタッフが働くため空間自体は大きいものの、あちらこちらにくつろげるスペースがあったりと、家のように感じる空間です。つまり、「家は仕事場のように、仕事場は家のような」空間となっています。

建築芸術は、いわゆる事務所的な環境では生まれない

アアルトは生前、「建築芸術は、いわゆる事務所的な環境では生まれない」という言葉を残したり、「休憩中は仕事の話をしない」というルールを作ったりと、日々の生活をとても重要視し、またそこで経験した生活の豊かさを創作の糧にしていた建築家だと思います。
まさに現代で言う職住一体の暮らしです。

この価値基準は現代においてもとても重要で、単に住宅、オフィス、お店と機能的に切り分けられた空間よりも、それらが混ざり合う、もしくはよく分からない状態の空間の方が、魅力的な空間になっていることが多いように思います。

リモートワークの普及による、住空間を魅力的に変える可能性

リモートワークの普及により、家にいながら仕事をすることで、当然ながら家にいる時間が増えることになります。
そうすると、日中にオフィスで仕事をして夜にしか家に帰ってこない場合に比べ、家にいる時間が長くなるため、そこでの時間は大切で、より快適な空間にしたい思うでしょう。

また自宅が仕事場の場合、打ち合わせなどで自宅に人を招く機会も多くなるかもしれません。
人を招く機会が多くなると、素敵な空間したい、好きな家具や食器、小物を揃えたい、植物も置きたいなど、色々と願望が出てくるでしょう。

それが結果的に自分の住む場所への興味を生み出し、自分らしい空間づくりのきっかけとなります。住空間に興味を持ちデザインすることは、日常をデザインすること、つまり生活そのものデザインすることに繋がることを、アルヴァ・アアルトが実践してきた暮らしが教えてくれます。

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