家具のまち大川 | 九州の杉で作る家具

日本一の家具産地として知られる福岡県大川市。
私たちが設計・販売をしているデスクシェルフは、この家具の町、大川の街で作られています。

「家具の街」として、九州はもとより日本全国のインテリア好きから親しまれている大川市。その歴史は480年以上に及び、室町時代まで遡ります。

1. 家具のまち、大川の歴史と原点

大川市が「家具の街」として栄えた理由は、大川市が川と海のちょうど境目にあることが関係しています。
古来より、潮の干満を利用した筑後川水運は重要な役割を持っており、大川市は大きな港町として栄えていました。

筑後川と有明海の境に位置する大川市は、船の乗り換えや休憩場所に適しており、大川の港には、多くの船と熟達の船大工たちが集住していました。そこに居た船大工たちが後に指物というものを作るようになりました。
指物とは組子のように、釘を使わずに木材だけを差し合わせて作る箱や家具のことです。このときに誕生した「榎津指物」が、大川家具の原点になったと言われています。

木材を釘を使わずに一つひとつ組んで作った、精巧な幾何学模様の組み合わせで図柄を表現する大川組子

2. レトロな懐かしい町並みと豊かな自然の中にある専門工場

大川の街を歩いてみると、昭和のまま時が止まったようなレトロな懐かしい町並みと豊かな自然が広がります。
のどかな街並みの中に、色々な専門技術を持った木工製造業を営む会社が約200社あり、事業者や職人の数も日本一と言われている町です。材木店や塗料店、運輸業社など、家具の生産に必要な専門業社が多数集まっており、同じエリアに関連事業者が集積し、分業しているのでため効率的に生産性を高めることができるところが、まさに家具の街、大川市と言われる所以です。

昭和の雰囲気を残すレトロな街並み
あちらこちらに家具関係の工場が点在する

3. 九州産の杉で作られるCLTの家具

大川ではいろいろな木材を扱っていますが、九州の杉を使ったCLTも製作しています。
杉は、あばれが大きい割に柔らかく使いずらいため、建材や家具材としてはこれまであまり使われてこなかった材料です。
しかし、ひき板と言われる薄板を、繊維方向が層ごとに直行するように重ねて接着しパネルを作るCLT(Cross Laminated Timber)という技術により、品質が安定した材として普及してきました。

強度を安定させこれらの問題を解決したというものを用いを家具を作ることで、スギを活用することができ、日本の森林や林業を守ることに寄与します。

繊維方向が層ごとに直行するように重ねて接着しパネルを作るCLT材
スイス製の特殊な金物を使い容易に組み立てができる

4. CNC木工加工機で自動加工

CLT材を、CNC加工というコンピューター上で数字入力したデータを機械加工する技術によって切り出し、スイス製の特殊な金物を使い容易に組み立てができるような仕組みとしました。
そのことにより、人件費や配送費、組立費のコストが削減でき、制作家具として家具屋さんで作るかなりコストが抑えられます。
このスイス製の金物を使う方法では5軸のCNC加工機というものが必要で、日本に数台しかない機械を使って作られています。

シンプルな形のデスクシェルフですが、実は特別な(高価な)機械を使って作られいています。
九州産の杉と大川の高度な専門技術に支えられて、このシンプルな組み立て家具はできています。

5軸のCNC加工機


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