1. 片付づく家、片付けやすい間取りとは
片付づく家、片付けやすい間取りとはどういう家でしょうか?
たくさん収納を作れば良いと答える方もいらっしゃるかも知れません。しかし、収納をたっぷり取っているのに片付かない家もたくさんあります。
答えは「収納が必要な場所に適切な量の収納を作る」ことです。
片付けるという行為を生活のシーンごとに想定し、モノを引き受ける場所を作ることで、簡単に片付けができる家となります。そのためにはまず、どの場所にどれくらいの収納が必要なのかを知ることが重要になります。
2. 収納面積のバランス
家を設計する際に、できるだけ収納スペースを増やして欲しいと言われることがあります。当然ながら、収納は快適な暮らしをする上で非常に重要な要素の一つです。
一般的に戸建て住宅の場合、全居住面積に対して12-15%程度が適当と言われています。しかしながら収納スペースを大きくすると、当然ながらその分居住スペースは小さくなります。ではどのようにして適切な収納スペースの大きさを決めるのが良いでしょうか。
3. 収納量を把握する
通常、設計事務所に家の設計を依頼するときは、まず設計者がお施主さんが現在住んでいるお宅に訪問します。そして家にある家具や物が、どの場所に、どれくらいの量あるかを調査します。その調査を経て新居に持っていく物の総量を把握し、また将来的に必要となるであろうスペースを想定し、適正な大きさの収納を設計します。
あらかじめ収納する場所が決まっている場合は、造り付け家具とし、収納する物の大きさで家具を設計をします。
4. 玄関にあると便利な土間収納
住まい手によって物の種類や量は異なりますが、共通して物が多くなりがちな場所が、住まいの入口である玄関です。玄関は靴を脱いだり履いたりするだけの場所ではなく、来客の対応をする場所でもり、宅配便などが届く場所でもあります。靴や履物だけでなく、コートや帽子など部屋まで持ち込まずにかけられる場所があると便利です。
また最近では、自転車なども部屋の中で保管したいという方もいらっしゃいます。
家族全員分となると相当量の収納が必要ですので、玄関には十分な収納スペースが必要です。
5. 収納する場所を決めることで片付けがしやすくなる
収納する位置を決めることは非常に重要で、あらかじめどこに何を収納する決めていると、とても片付けがしやすくなります。
靴を置く場所、服を置く場所、本を置く場所、おもちゃを置く場所など、収納する場所を決めておくと、物が散乱した時には元の場所に戻せば良いので簡単です。
収納が必要な場所に適切な量の収納を作り、どこに何を収納するかを整理し、できる限り行き場のないものをなくすことが片付いた状態をキープするコツです。
最近はウォークインクローゼット(以下、WIC)を作ることも人気ですが、一つの部屋にまとめて物を押し込むことができるため大容量の収納量が確保でき機能的な反面、WICは人が通る通路を収納スペースとは別に確保しないといけないため、面積的には効率的ではないので注意が必要です。また困ったらWICに入れるという習慣がついてしまい、気づいたら物置のようになっていたということもあるので気を付けなくてはなりません。
収納スペースは大きいに越したことはないですが、必要以上に大きすぎると生活するスペースを圧迫することになります。本当に必要なものを選定した上で、収納が必要な場所に適切な量の収納を作ることで、居住スペースとのバランスが取れた住宅ができます。
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